2017年2月10日第83回三重脳神経外科集談会を開催しました。
参加者が40名近い盛況な会となりました。
次は2017年9月22日(金)に第84回を執り行います。多数の先生方のご参加をお待ち致しております。
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第8回神経内科・脳神経外科合同セミナーを開催しました。当科からは倉石慶太先生と中島英貴先生が発表しました。

今回は60名を超える方にご参加いただき、誠にありがとうございました。参加いただいた方の今後の診療にお役立ていただければ幸いです。

なお次回は当科の脳神経セミナーを2017年6月9日に三重県立総合文化センターで行いますので、こちらにも奮ってご参加いただきますようよろしくお願いします。
1月21日(土)15時より第21回ニューロイメージングカンファレンスが開催されました。
ニューロイメージングカンファレンスは神経画像が中心の会で、名古屋大学を中心に中部地方の各大学の脳神経外科・放射線科により運営されています。
三重大学も鈴木教授が世話人で私が運営委員を担当しておりますが、おそらく3~4年後に当番が回ってくると思います。
これまで石田先生、梅田先生がCFD関連の発表・講演をされていますが、あまりご存じ無い先生方も多いと思いますので、ここではこの研究会ではどのような内容が取り上げられているかを一部紹介したいと思います。

まず一般演題があり、今年は3題ともパーキンソン病診断のDAT-scanが中心で、正直脳神経外科医にとっては少々馴染みの薄い話でした。

そして特別講演は、毎年2人の招待演者により2演題が行われます。
今年は岐阜大学脳神経外科が当番ということもあってか、2演題とも非常に興味深い内容でした。

まず特別講演Iは、
北海道大学核医学分野准教授 志賀哲先生による
「脳腫瘍の核医学について」

PET、特にFDGとメチオニンさらにはFMISOという核種を用いた、診断や治療への有用性のお話しで、面白かったものを幾つか紹介すると

・悪性リンパ腫
 FDG-PETで極めて高い取り込みを示し(SUV20以上)、T/N比で2.0をカットオフ値に設定すると、metaやGBMとの鑑別は感度94.7%、特異度87.3%で可能。さらに、その後のステロイド効果の有無を取り入れることで、さらに診断率があがる。

・グリオーマ
 FDGでもメチオニンでも、取り込みが上がれば悪性度も上がる。
 ただしoligoの成分があると、メチオニンの取り込みが上がる為、注意が必要
 またメチオニンは、浸潤の範囲を明確に示す為、摘出では予後改善につながる

・放射線壊死と再発
 基本前者では取り込みが低く、後者で高い
 ただFDGでは脳も高集積であることから、病変が小さいと判定困難 
 メチオニンを用いることで、感度80~90%、特異度90~100%になる

・FMISO(¹⁸F-Fluoromisonidazole)
 低酸素部を描出
 この取り込みが高いと、予後が悪いことを示す
グレードIIIとIVを見分けることができる(ただし以前の分類まで)
またアバスチン(腫瘍血管の増生を障害し見かけの腫瘍massは縮小する)と、
FMISO評価を併せ、取り込みの低下が確認できれば予後良好が予測できる

などでした。

続いて特別講演 II では、
東北大学神経外科学分野潤教授 藤村 幹先生による
「脳血行再建術後、核医学検査による周術期病態の解明と臨床的意義」

もやもや病における、特に過環流症候に対する注意点と、東北大学での管理方についてでした。すでに藤村先生のご講演はいろいろな学会などで聞かれた先生も多いかと思いますが、今回話された内容としては

・JAMtrialで、後方循環系の出血は再発しやすくかつ手術の効果が期待できることが示された。

・もやもや病への血行再建術後の過環流は
・子供ではほとんど認めない
・頭痛は呈さない(CEAやCASと違う)
・局所症状(失語や麻痺)で、虚血症状と誤解しやすい
・予防としては
・血圧は130以下
・ただし虚血予防に、アスピリンを早期再開(術後1日目から)
・抗生剤はミノサイクリン 200mg/d 4日間
 (BBBを破壊するMMP-9を阻害する作用がある為)
・危険因子は
・中大脳動脈が細い。STAとのmismatchが大きい
・CEAやCASと違い、術前の予備能の低下が無くても、出ることがある

・それ以外にはwatershedshiftや、vasogenic edemaにも注意が必要

などでした。

それぞれの講演で提示された参考文献を以下に示します。

・FDGPETによる リンパ腫とGBMとメタ 診断
The diagnostic role of (18)F-FDG PET for primary central nervous system lymphoma.
Yamaguchi S. Ann Nucl Med. 2014 Aug;28(7):603-9

・メチオニン利用でglioma予後改善
Glioma surgery using a multimodal navigation system with integrated metabolic images.
Tanaka Y. J Neurosurg. 2009 Jan;110(1):163-72.

・メチオニンによるglioma浸潤
A novel PET index, 18F-FDG-11C-methionine uptake decoupling score, reflects glioma cell infiltration.
Kinoshita M. J Nucl Med. 2012 Nov;53(11):1701-8.

・アバスチンとFMISO
Change in 18F-Fluoromisonidazole PET Is an Early Predictor of the Prognosis in the Patients with Recurrent High-Grade Glioma Receiving Bevacizumab Treatment.
Yamaguchi S. PLoS One. 2016 Dec 9;11(12):

・FMISOによるglioma悪性度評価
¹⁸F-Fluoromisonidazole positron emission tomography may differentiate glioblastoma multiforme from less malignant gliomas.
Hirata K. Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2012 May;39(5):760-70

・JAMtrialで、後方出血の注意点
Significance of the Hemorrhagic Site for Recurrent Bleeding: Prespecified Analysis in the Japan Adult Moyamoya Trial.
Takahashi JC. Stroke. 2016 Jan;47(1):37-43

・ミノサイクリン
Minocycline prevents focal neurological deterioration due to cerebral hyperperfusion after extracranial-intracranial bypass for moyamoya disease.
Fujimura M. Neurosurgery. 2014 Feb;74(2):163-70

など。


尚、次回は
2018年1月27日(土) キャッスルプラザ(名駅前)
です。

またご興味ある方は、是非ご参加ください。

畑崎聖二
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2017年1月20日第16回三重・大阪脳血管障害治療研究会を行いました。特別講演では富山大学医学部脳神経外科教授の黒田敏先生にお越しいただき、頚動脈狭窄症の病態と治療戦略について講演をしていただきました。頚動脈狭窄症はただ血管が細くなるという単純なものではなく、実に様々な要因が複雑に絡み合って発生しており、その病態について分かりやすくご講演いただきました。治療についても施設によって方針は様々なのですが、富山での治療戦略についてご紹介くださり、大変勉強になりました。
2017.01.19 Stroke!
今日(正確にはもう昨日になりますが)、Stroke誌からアクセプトの知らせが届きました。
Liu先生のくも膜下出血の基礎研究に関する論文です。今年最初のアクセプトが、脳卒中関連で最も権威がある英文誌の1つであるStroke誌ですから、縁起がいいですね!

この勢いで今年も頑張りましょう!
昨年の英文論文は30本を超え、たぶん、過去最高ですが、三重大学の本来の実力からすればこんなものではないでしょう。質、量共にさらに上を目指しましょう。